恋愛感情を抱かせた相手に投資話などを持ちかけ、お金をだまし取る“ロマンス詐欺”の被害が拡大しています。
本記事では、具体的な詐欺の手口や見分け方、詐欺にだまされないための予防策について解説します。
※本記事は 2024年12月16日時点の情報を基に作成しています。
ロマンス詐欺とは
ロマンス詐欺とは、SNSやマッチングアプリなどを通じてターゲットと知り合い、相手の恋愛感情につけ込んで、金銭をだまし取る詐欺のことです。
メッセージのやり取りを通じて、相手を信頼させてから投資の勧誘や金銭の要求をするため、被害者に”だまされている”という自覚がないことがあります。
ロマンス詐欺のうち、SNSなどを利用したものをSNS型ロマンス詐欺といいます。
警察庁の調査によると令和6年1~10月のSNS型ロマンス詐欺の認知件数・被害額は、令和5年の同じ期間と比較してはどちらも増加しています。
認知件数(前年同期比) | 被害額(前年同期比) |
2,956件(+1,689件) | 約311.3億円(+177.1億円) |
被害者の年齢層の内訳では男性は50代、女性は40代が最も多く、男女どちらも40代以上が被害者全体の約8割を占めています。
SNS型ロマンス詐欺では、詐欺師が様々な職業を装うため、相手の名乗っている職業だけで見分けることは困難です。
またSNSを使った接触方法としてLINE、Instagram、Facebookなどのアプリが利用されますが、その後LINEでのやり取りに移行することが多いです。
【参考情報】
警察庁|令和6年10月末におけるSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について
ロマンス詐欺の手口
実際に詐欺師がどんな手口でロマンス詐欺をしかけてくるのかを把握しておきましょう。
(以下で紹介する手口以外を用いる場合もあります。)
投資話を持ち掛ける
恋愛感情を抱かせたターゲットに、「2人の将来のため」などと甘い言葉をかけ、暗号資産(仮想通貨)やFX(外国為替証拠金取引)などへの投資話を持ち掛けてきます。
何度も振り込みを求められたり、投資での利益が出た際にお金を引き出せなかったりしたことに不信感を抱き、警察に相談したことから被害が発覚する事例があります。
また、被害者が相手を信用していたことで、気づいたときには多額の資金を投じてしまい、中には約1億5000万円の被害にあったという事例も報告されています。
【参考情報】
NHK|SNS型ロマンス詐欺か 高岡の男性が1250万円余の被害
朝日放送|ロマンス詐欺の手口で59歳女性が1億5000万円の被害 SNSで日系アメリカ人名乗る人物と知り合い
資金援助をお願いする
「生活に困っている」「会いに行くための費用がない」などと伝えて、金銭をだまし取ります。
被害者は、自分を頼られたことがうれしく、ついお金を支払ってしまう上に、その後も何度も金銭を要求されて初めて詐欺だと気づきます。
実際の事例としては、外国の軍人を装い「戦争で負傷した」と言って医療費を求めたり、「事業に失敗した」と言って資金の援助を求めたりすることがあります。
【参考情報】
関西テレビNEWS|コロナ禍で急増 SNSを利用し恋愛感情を抱かせる”国際ロマンス詐欺” 多額の現金をだまし取る手口とは? 「日本人は恥ずかしがり屋で被害届を出さない」 背景にガーナの犯罪組織
送金手数料などを肩代わりさせる
「荷物を送るから関税を支払ってほしい」「資産を受け取ってほしい」と持ちかけ、税金や送金手数料などの名目でお金をだまし取ります。
恋愛感情につけ込むだけでなく、支払う以上のお金を受け取れると思わせて、支払いに誘導することがあります。
またこの手口では、犯人が「外国に住んでいる」「軍隊に入っている」「医者として働いている」と身分を偽っていることがあります。
ロマンス詐欺にだまされやすいのはどんな人?
詐欺師は、言葉巧みに相手に接近し、やさしい言葉をかけ続けます。
以下のような特徴が見受けられる人は、ロマンス詐欺にだまされてしまうおそれがあります。
また前述で説明したように、男女どちらも被害者は40代以上で全体の約8割を占めており、上記の特徴に当てはまる人は注意が必要でしょう。
やさしい言葉をかけてくれる相手だったとしても、実際に会ったことがない場合は、話が事実なのか確かめる方法がありません。
他人に金銭を要求されたときには、家族や最寄りの警察に相談しましょう。
相談用連絡先一覧
・警察相談専用窓口:#9110
・消費者ホットライン:188
・未公開株通報専用窓口:0120-344-999
【参考情報】
警視庁SOS47 特殊詐欺対策ページ|各都道府県警察の特殊詐欺対策ページ
警察庁|都道府県警察の連絡先、警察署一覧
独立行政法人国民生活センター|ロマンス投資詐欺が増加しています!-その出会い、仕組まれていませんか?-
ロマンス詐欺の見分け方は?
ロマンス詐欺の特徴としては、ターゲットの相手に「一緒にいたい」「頼られたい」という感情を持たせて利用することが挙げられます。
特に、以下に当てはまる場合は注意が必要です。
金銭を要求される
詐欺師はターゲットとの関係が深まったと判断すると、金銭を要求します。
「2人の将来のために投資しておこう」「資金の援助をしてほしい」などその口実は様々です。
相手に好意を抱いてしまうと、2人にとって必要な出費だと感じてしまい、長期的に金銭をだまし取られる恐れがあります。
また、最初は少額の要求であることが多く、支払ってよいと感じてしまいがちです。
相手を信頼している場合でも、金銭を要求されたら、まずは詐欺を疑いましょう。
また、メッセージやり取りしている相手から、特定のサイトへの登録を促されたり、怪しい投資を勧められたときは、詐欺対策専用アプリでURLやメッセージが詐欺でないチェックしましょう。
【トレンドマイクロ 詐欺バスターで怪しい広告やメッセージをチェック!】
トレンドマイクロ 詐欺バスターはネット詐欺や詐欺電話をブロックする詐欺対策専用アプリです。
怪しいWebサイトやテキストメッセージ、オンライン広告をスクリーンショットで撮影し、その写真をアプリに送信すると、詐欺の可能性がないか、AIがチェックします。
以下のアプリストアより、無料でインストールしましょう。
QRコードからアプリをインストールする
トレンドマイクロ 詐欺バスターのその他の機能(クリックして詳しく見る)
発信および着信時に特殊詐欺の疑いがある場合は画面上に警告を表示します。ブロック設定を有効にすることで、発着信の自動的な切電も可能です。
※iPadOSでは詐欺電話対策はご利用いただけません。iOSでは発信時のブロック(自動的な切電)はご利用いただけません。
詐欺の可能性があるメッセージをSMSフィルタで識別し、迷惑メッセージフォルダに自動で振り分けます。
個人情報や金銭を狙うフィッシングサイトや、不正アプリをダウンロードさせるサイトなどの、不正なサイトへのアクセスをブロックします。
※ iOS・iPadOSではSafariのみ対応
ビデオ通話やライブ配信において、ディープフェイクによるなりすましの可能性がある際は警告を表示します。LINE、Instagramなどの、ビデオ通話機能やライブ配信機能があるアプリ各種でご利用いただけます。
対面や通話を拒否される
詐欺師とそのターゲットの相手が実際に会えることは基本的にありません。
詐欺師は、様々な言い訳を用いて直接会うことや通話を避けます。
例えば、「緊急の仕事が入った」「突然の健康上の問題が生じた」など、突発的かつ信じられる理由を作り出して対面や通話の約束を破ります。
対面や通話の約束が何度も延期されたり、キャンセルされたりする場合は警戒が必要です。
身分を偽っている
詐欺師は様々な手法を使って身分を偽ることがあります。
例えば、高い収入や職業を偽ったり、他人の写真を使用したりすることがあるため、プロフィールや会話の内容に矛盾や不自然さを感じた場合は注意が必要です。
さらに、詐欺師がディープフェイク※を使って、特定の人物になりすました状態で、被害者とビデオ通話でコミュニケーションを取ることも考えられます。
著名人や知り合いを装うことで、ターゲットから信頼感や親近感を得やすくするのが目的です。
※AIによって作り出された偽の動画や音声といったコンテンツ、もしくは、それを作るための技術のこと
対策の1つとして、ディープフェイクによって作られたコンテンツを検出するツールが存在します。
これらを利用することで悪意のあるディープフェイクを見抜ける可能性があります。
【ディープフェイクによるなりすましをチェック!】
「トレンドマイクロ ディープフェイクスキャン(ベータ版)」は、ディープフェイクを使ったビデオ通話やライブ配信を検出して、通話相手になりすましの可能性がある際にユーザに警告します。
巧妙に作られたディープフェイクコンテンツを、AI技術を使って判別できます。
本ツールはWindowsパソコン用に無料で提供されています。
あやしいサイトやアプリに誘導される
あやしいサイトやアプリに誘導されたのちに金銭をだまし取られることがあります。
高級ブランド品や宝石などを格安で購入できると信じ込ませて、偽の通販サイトに誘導したり、高い収益を約束し仮想通貨や株などの投資アプリに誘導したりする事例があります。
ロマンス詐欺に関する相談先
金銭的な被害は受けていなくても、ロマンス詐欺かもしれないと少しでも不安に感じた際は次の窓口に相談しましょう。
金融庁の相談窓口
・詐欺的な投資に関する相談ダイヤル:0570-050588
・ウェブサイト受付窓口
【参考情報】
金融庁|「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」の開設について
相手に恋愛感情があってもお金を要求されたら要注意
たとえ恋愛感情を抱いた相手であっても、金銭を要求されたら、まず詐欺の可能性を疑いましょう。
自分だけで詐欺かどうか判断しようとせずに、誰かに相談することが大事です。
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