詐欺

おいしい投資話は危険?SNSを使った投資詐欺に注意

LINEで投資グループのチャットへの参加を要求される例

SNS上で著名人が投資を勧める広告を表示させたり、「必ず儲かる」というようメッセージを送ったりして偽の投資へ勧誘し、金銭をだまし取る「投資詐欺」が確認されています。

投資勧誘にSNSを利用するため、「SNS型投資詐欺」、とも呼ばれています。

本記事では、具体的な詐欺の手口や詐欺にだまされないための予防策について解説します。 

SNSを使った投資詐欺の手口

SNSを使っていると、お金が儲かるとうたう広告や投稿、DM(ダイレクトメッセージ)を見かけることがありますが、まずこれらは詐欺だと疑いましょう。 
おいしい話は簡単に信じてはいけません。

以下でSNSを使った投資勧誘の代表的な手口を解説しますので、気をつけましょう。  
※以下で解説する手口以外が用いられる可能性もあります。 

投資に勧誘する広告

まず「お金が儲かる」といった広告をSNS上に掲載し、興味を持ったターゲットを詐欺サイトやLINEのグループチャットに誘導します。 

その後、投資資金やセミナー料、情報商材費用などの名目で不当に高額な金銭を要求します。 

証券会社や銀行に偽装したFacebook広告の例

中には、ディープフェイクで作った画像で著名人を装い、ターゲットに「あのタレントが紹介するものだから信用できる」といった印象を与えるものもあります。

※AIによって作り出された偽の動画や音声といったコンテンツもしくは、それを作るための技術のこと

このような広告は、画像を悪用された著名人の評判に悪影響を及ぼすため、プラットフォーム側で取り締まりを求める声もあがっています。 

【参考情報】 
Forbes JAPAN|イーロン・マスク後任を騙る詐欺コイン「Xトークン」が横行中 
伊勢市|『いいね!』するだけの副業<タスク型詐欺>に注意! 
NHK|追跡!フェイク SNS広告の闇 ~なぜだまされる投資詐欺~ 
日本経済新聞|SNS投資広告詐欺でメタ社を提訴 2300万円賠償請求 

DM(ダイレクトメッセージ)での勧誘やグループチャットへの招待

SNSのDM(ダイレクトメッセージ)やLINEのトーク・グループチャット機能等を使って、詐欺のターゲットに連絡をする手口です。 

この手口においても著名人や投資家などの「信頼できそうな人」を装って、嘘の投資話を持ちかけてきます。 

LINEで投資グループのチャットへの参加を要求される例

そして、DMや個別のトークルームなどの閉じられた場所での会話を通じてターゲットの警戒心を解き、投資の話を信じこませようとします。 

複数の人が参加するチャットグループを使う手口では、詐欺に加担するサクラが参加していることもあります。
そこでは、嘘の投資の成功体験をサクラが話し、投資話に信ぴょう性を持たせます。

また投資が成功しているように見せかけるために、最初は配当金を支払うといったケースもあります。
最終的には投資として支払った金額が戻ってくることはなく、そこではじめて詐欺被害にあったことに気がつきます。

LINEグループ内で複数人におすすめのFX取引サイトを紹介される例
LINEグループ内で投資用口座の開設を勧誘される例

【参考情報】 
産経新聞|投資詐欺インスタで接触 兵庫の40代女性が5千万超被害 
読売新聞|LINEのグループに招待された40歳代男性、FX投資詐欺で2800万円だまし取られる 
朝日新聞|「投資」のLINEグループに入っていませんか? 詐欺被害が急増中 
LINEオープンチャット公式|著名人や投資家を装った投資アドバイス詐欺にご注意ください 

投資詐欺にだまされないために気をつけるポイント 

SNSを使った投資詐欺にだまされないためには、おいしい話、儲け話を簡単に信じずに、まず疑うことが大切です。 

ここでは、具体的に気をつけるポイントをいくつか紹介します。 

「必ず儲かる」「あなただけ」といった言葉に注意する 

詐欺師は、言葉を巧みにあなたの心に付け込んできます。 

「必ず儲かる」「あなただけに教えます」「確実に利益が出る」といった甘い誘いの言葉は詐欺だと疑いましょう。   

少しでもあやしいと感じた場合は、金融庁の相談窓口やお近くの公的機関にご相談してください。 

【参考情報】 
金融庁|詐欺的な投資勧誘等にご注意ください! 
警視庁SOS47 特殊詐欺対策ページ|SNS型投資詐欺 

見知らぬ人から招待されたグループチャットに反応しない 

投資の話をするグループチャットに突然招待され、参加を促されることがあります。 

知らないグループチャットに招待されても参加しないようにしましょう。 

投資先が実在しているか・国の登録業者かどうか確認する 

国の登録業者ではないのに、金融商品取引業や暗号資産交換業を行うことは違法です。 

紹介された業者が金融商品取引業者等に登録されていない場合は、詐欺だと思いましょう。 

国に登録されている業者は、こちらの金融庁のサイトから確認が可能です。 

【参考情報】 
金融庁|無登録業者との取引は要注意!!~無登録業者との取引は高リスク~ 
警視庁SOS47 特殊詐欺対策ページ|SNS型投資詐欺 

投資を勧めている「著名人」がなりすましでないか確認する 

著名人が無料の投資教室を開催したり、確実に利益が出る投資話を無料で教えたりすることは基本的にありません。 

他にも、著名な投資家が特定の投資案件を推奨しているように見せかける偽の画像を使うなど、ディープフェイク技術が悪用されるケースが増えています。

情報をすぐに鵜吞みにせずに、本人の公式アカウント等からの発信情報を確認しましょう。 

詐欺対策専用アプリで怪しい広告やメッセージをチェックする

スマートフォン向けに、怪しい広告やメッセージが詐欺どうかをチェックしたり、詐欺電話番号に対して発着信をブロックできるアプリがあります。

Trend Micro Check(iOS/Android)

【Trend Micro Checkで怪しい広告やメッセージをチェック!】

Trend Micro Checkはネット詐欺や詐欺電話をブロックする詐欺対策専用アプリです。

怪しいWebサイトやテキストメッセージ、オンライン広告をスクリーンショットで撮影し、その写真をTrend Micro Checkに送信すると、詐欺の可能性がないか、AIがチェックします。

以下のアプリストアより、無料でインストールしましょう。

QRコードからアプリをインストールする

Trend Micro Checkのその他の機能(クリックして詳しく見る)
詐欺電話対策

発信および着信時に特殊詐欺の疑いがある場合は画面上に警告を表示します。ブロック設定を有効にすることで、発着信の自動的な切電も可能です。

※iPadOSでは詐欺電話対策はご利用いただけません。iOSでは発信時のブロック(自動的な切電)はご利用いただけません。

詐欺メッセージ対策

詐欺の可能性があるメッセージをSMSフィルタで識別し、迷惑メッセージフォルダに自動で振り分けます。

Web脅威対策

個人情報や金銭を狙うフィッシングサイトや、不正アプリをダウンロードさせるサイトなどの、不正なサイトへのアクセスをブロックします。

※ iOS・iPadOSではSafariのみ対応

ディープフェイクスキャン(ベータ版)

ビデオ通話やライブ配信において、ディープフェイクによるなりすましの可能性がある際は警告を表示します。LINE、Instagramなどの、ビデオ通話機能やライブ配信機能があるアプリ各種でご利用いただけます。

またWindowsパソコン向けに、ディープフェイクによって作られたコンテンツを検出するツールも存在します。
これらを利用することでディープフェイクを使ったなりすましを見抜ける可能性があります。

トレンドマイクロ ディープフェイク スキャン(Windows)

【ディープフェイクによるなりすましをチェック!】

「トレンドマイクロ ディープフェイクスキャン(ベータ版)」は、ディープフェイクを使ったビデオ通話やライブ配信を検出して、通話相手になりすましの可能性がある際にユーザに警告します。
巧妙に作られたディープフェイクコンテンツを、AI技術を使って判別できます。
本ツールはWindowsパソコン用に無料で提供されています。

投資に関係する「暗号資産」や「投資アプリ」等が実在するか確認する 

実在しない架空の「暗号資産」への投資を勧められたり、偽物の「投資アプリ」をインストールさせられたりする可能性があります。 

お金を振り込む前に、必ず勧められた暗号資産や投資アプリの名前をインターネットで検索しましょう。 

詐欺に使用されている、もしくは偽物の投資アプリであることが口コミ等で分かる場合もあります。 

【参考情報】 
警視庁SOS47 特殊詐欺対策ページ|SNS型投資詐欺 

振込先の口座に不審な点がないか確認する 

一般的に、投資話が本物であれば、「振込先として個人名義の口座を指定される」「振込先の口座が振込のたびに変わる」ということはまずありません。 

これらに当てはまる場合は、詐欺を疑い、警察に相談してください。 

【参考情報】 
警視庁SOS47 特殊詐欺対策ページ|SNS型投資詐欺 

おいしい投資話に乗る前に、事前調査を必ずしましょう 

詐欺師は、言葉巧みにお金をだまし取ろうとしますが、本記事で説明したポイントに注意を払うことで、投資詐欺だと気づくことができるかもしれません。 

おいしい話を見かけても、「自分は大丈夫」等と思わず、その投資が正規の取引かどうか事前に調べることが大切です。

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