
近年、入国管理局の職員をかたる不審な電話に関する相談が増えています。
入国管理局は2019年4月に出入国在留管理庁に改称され、現在「入国管理局」という名称の機関は存在しません。
出入国在留管理庁は、同庁や地方出入国在留管理局の職員が、電話やメールなどで金銭を要求することはないと注意喚起をしています。
入国管理局を名乗る突然の連絡があっても、慌てて相手の要求に従わないようにしましょう。
この記事では、入国管理局を名乗るあやしい電話の目的や対処法と対策を解説します。
入国管理局を名乗るあやしい電話とは
入国管理局を名乗る自動音声の電話や中国語、片言の日本語の電話は、詐欺の可能性があります。
そのような電話を受けたときは注意してください。
入国管理局を名乗るあやしい電話の目的
入国管理局を名乗る電話には、個人情報を聞き出したり、金銭をだまし取る目的があります。
詐欺師は、個人情報を聞き出すことで詐欺に悪用する可能性もあります。
不審な電話には警戒し、個人情報の開示や金銭の支払いに応じないことが重要です。
詐欺師が入国管理局の職員を装う理由
入国管理局を名乗ることによって、公的機関に見せかけてターゲットを信用させようとしていると考えられます。信用を得ることで個人情報などを情報を聞き出しやすくなったり、金銭の振り込みなどの指示に従わせやすくなります。
たとえ電話の相手が入国管理局などの信頼できそうな職員の機関の職員を名乗っていたとしても、安易に信用しないようにしましょう。
自分の電話番号に入国管理局を名乗るあやしい電話がかかってくる原因
入国管理局を名乗るあやしい電話がかかってくる原因として、第三者があなたの電話番号を知っている可能性が考えられます。
電話番号は以下のようなケースで流出することが多いです。
電話番号が一度第三者に知られてしまうと、迷惑電話が繰り返しかかってくるおそれがあります。
入国管理局を名乗るあやしい電話の事例
出入国在留管理庁に寄せられた相談によると、以下の事例が確認されています。
- 自動音声で「重要な書類を保管している。」「書類が不足している。」「期限が切れる。」などの案内が流れ、番号を押すよう案内された。
- 知人の外国人が空港の入国審査で足止めされているとして、入国手数料を振り込むよう要求された。
- 知人の外国人が空港で入国禁止となり、入国管理センターに収容されているとして、保釈金を振り込むよう要求された。
- 中国語、片言の日本語で「パスポート、ビザ、在留カードが、上海で不正な利用や偽造などがなされ、出入国ができないため、パスポート、銀行通帳及び身分を証明するものを持って入管に来てもらいたい。」といった趣旨の電話を受けた。
- 入管職員、中国の警察を名乗る者から、日本語(電話中に中国語を話す者と交代)で「パスポートに異常が見つかったため、身柄を確保・連行が決定した。」旨を伝えられ、保釈金を払うよう電話を受けた。
- 中国語のアナウンスで「在留カードに異常があるため、失効になる。速やかに受付センターに連絡してほしい。失効の原因を知りたい方は○番を押し、問い合わせてほしい。」と要求された。
入国管理局を名乗るあやしい電話の手口
入国管理局を名乗るあやしい電話では、まずパスポートやビザ、在留カードに関する不備をかたって不安をあおります。
引用元:出入国在留管理庁|入管を名乗る不審な電話、メール等にご注意ください
その後、身分証の提示を求めて個人情報を狙ったり、手数料や保証金を要求し金銭をだまし取る手口が多くみられます。
入国管理局を名乗る電話で多い特徴として、以下があります。
- 電話番号に「+」から始まる海外の電話番号が使われている
- 自動音声によるアナウンスが使われている
- 外国語や片言の日本語で話される
【参考情報】
出入国在留管理庁|入管を名乗る不審な電話、メール等にご注意ください
入国管理局を名乗るあやしい電話に出てしまったときの対処法
入国管理局を名乗る電話に応答したとしても、個人情報などを伝えない限りは金銭的な被害にあう可能性は低いです。
しかし、電話番号が有効であることが相手に伝わってしまうため、その後も迷惑電話がかかってくるおそれがあります。
もしも入国管理局を名乗るあやしい電話に出てしまったときは、次のように対処しましょう。
相手を刺激せず早めに電話を切る
迷惑電話に対して、怒ったり威圧的な態度を取ったりすることは危険です。
相手を刺激させ、その後もしつこく電話がかかってきたり、別の嫌がらせを受けたりするおそれがあります。
万が一、応対してしまったときでも、必要以上に話をせず、すぐに電話を切りましょう。
危険を感じたら警察に相談する
受けた電話が詐欺目的であると疑われるときには、警察への通報を検討しましょう。
録音機能を利用して音声データなどの証拠を保存しておくことで、警察に相談する際に解決につながる可能性があります。
【参考情報】
政府広報オンライン|警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ
名前や住所などの個人情報は伝えない
名前や住所、銀行口座などの重要な情報を相手に伝えてしまうことで、金銭をだまし取られたり、詐欺のターゲットにされて何度も電話がかかってきたりする危険性があります。
トラブルを回避するために不審な質問には答えず、早めに電話を切るようにしましょう。
金銭的な被害にあった時の対処法
利用しているクレジットカード会社や金融機関などにすぐに連絡することで、金銭的な被害にあったときにも、被害を最小限に留められることがあります。
お金を振り込んでしまった
入国管理局を名乗るあやしい電話にだまされてお金を支払ってしまった際は、最寄りの警察に相談してください。
【警察相談専用窓口】
電話窓口:#9110
また、お金を振り込んでしまい、被害にあわれた方のために「振り込め詐欺救済法」が制定されています。
「振り込め詐欺救済法」で定められた手続きに従うと、振り込み先に指定された犯罪利用口座を特定し、当該口座から振り込んだ金額が返金されることもあります。
ただし、当該口座に滞留している残高が被害金の総額より少ない場合、全額の返金はされません。
「振り込め詐欺救済法」の詳細は以下を確認しましょう。
【参考情報】
一般社団法人全国銀行協会 | 振り込め詐欺救済法とは
警察庁 SOS47|各都道府県警察の特殊詐欺対策ページ
カードや銀行口座の暗証番号などを教えてしまった
入国管理局を名乗るあやしい電話にだまされ、カード番号や暗証番号などの情報を入力したり、伝えたりした場合、まずはクレジットカード会社や銀行にすぐに連絡しましょう。
連絡先の指示に従い、暗証番号の変更やカードの停止、再発行など必要な対策を行ってください。
主要な銀行の問い合わせ先 ※クリックして開く
主要なクレジットカード会社の問い合わせ先 ※クリックして開く
また金銭的な被害にあってしまった際は警察に被害の事実を連絡してください。
【参考情報】
警察庁| 各都道府県警察の特殊詐欺対策ページ
入国管理局を名乗るあやしい電話による被害を事前に防ぐ対策
入国管理局を名乗るあやしい電話による被害を防ぐために、以下に紹介する対策を事前に行っておきましょう。
詐欺電話・ネット詐欺対策専用アプリを使う
電話番号を確認しただけでは、迷惑電話であるかの判別は難しいです。
既知の迷惑電話や詐欺電話の着信を自動的にブロックしたり、警告を表示したりできる、専用の対策サービスを利用して被害を防ぎましょう。
【トレンドマイクロ 詐欺バスターで詐欺電話をブロック!】

トレンドマイクロ 詐欺バスターは詐欺電話やネット詐欺をブロックする詐欺対策専用アプリです。
発信および着信時に特殊詐欺の疑いがある場合は画面上に警告を表示します。ブロック設定を有効にすることで、発着信の自動的な切電も可能です。
※iPadOSでは詐欺電話対策はご利用いただけません。iOSでは発信時のブロック(自動的な切電)はご利用いただけません。
以下のアプリストアより、無料でインストールしましょう。

QRコードからアプリをインストールする
トレンドマイクロ 詐欺バスターのその他の機能(クリックして詳しく見る)

怪しいWebサイトやテキストメッセージ、オンライン広告をスクリーンショットで撮影し、その写真をアプリに送信すると、詐欺の可能性がないか、AIがチェックします。

詐欺の可能性があるメッセージをSMSフィルタで識別し、迷惑メッセージフォルダに自動で振り分けます。

個人情報や金銭を狙うフィッシングサイトや、不正アプリをダウンロードさせるサイトなどの、不正なサイトへのアクセスをブロックします。
※ iOS・iPadOSではSafariのみ対応

ビデオ通話やライブ配信において、ディープフェイクによるなりすましの可能性がある際は警告を表示します。LINE、Instagramなどの、ビデオ通話機能やライブ配信機能があるアプリ各種でご利用いただけます。
詐欺バスターの詳しい説明はこちら

トレンドマイクロ 詐欺バスター3台版はご自身とご家族※のスマートフォンで、最大3台までご利用いただけます。
※同居の家族もしくは同居していない親と子
大切な人を詐欺被害から守るために、家族で一緒に対策を始めませんか?
端末の着信拒否機能や携帯キャリアのサービスを使う
端末に標準で備わっている機能や、携帯キャリアが提供している迷惑電話の着信を拒否するサービスを利用すると、詐欺電話による被害を防ぐ可能性が高まります。
着信を拒否する方法は、以下の記事で詳しく紹介しています。
【関連記事】
固定電話の場合はナンバーディスプレイなどを利用する
固定電話の場合、電話機に「ナンバーディスプレイ」機能が備わっていれば、着信時に発信元の電話番号の確認ができます。
電話番号に心当たりがなければ、応答しないようにしましょう。
入国管理局を名乗る詐欺電話に出てしまっても早めに電話を切る
「入国管理局」は2019年4月に改称されており、現在は存在しません。
また、現在の名称である「出入国在留管理庁」や「地方出入国在留管理局」の職員が電話やメールなどで金銭を要求することはありません。
このような詐欺目的の電話には必要以上に応対せず、早急に電話を切りましょう。
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