突然、身に覚えのないサービスから利用料金を請求する電話や手紙が届いたり、Webサイト上で会員登録料を請求するメッセージが表示されることがあります。
しかしほとんどの場合、これらの請求内容は偽物で、ターゲットをあせらせて金銭をだましとる”架空料金請求詐欺”(架空料金請求詐欺)が横行しています。
本記事では、具体的な詐欺の手口や詐欺にだまされないための予防策について解説します。
架空料金請求詐欺の手口
架空料金請求詐欺の特徴として、「支払わないと裁判になる」「〇〇日までに支払いが必要」などの強い言葉が使われます。
そのため被害者側は、支払う義務がないのに支払ったほうがよいと感じてしまうことがあります。
架空料金請求詐欺にだまされないために、以下で解説する代表的な手口を把握しておきましょう。
※以下で解説する手口以外が用いられる可能性もあります。
実在するサービスを装った電話
実在するサービスを装った詐欺師から、身に覚えのない未払い料金を請求する電話がかかってきたりメールが届いたりします。
詐欺師は「NTTファイナンス」、「内閣サイバーセキュリティ課」や「証人保護協会」などを名乗り、正規の請求であるように信じ込ませます。
(「内閣サイバーセキュリティセンター」は実在しますが、「内閣サイバーセキュリティ課」や「証人保護協会」といった名称の組織は存在しません。)
【参考情報】
NHK|南砺の60代女性 架空請求詐欺で2000万円余被害
NHK|架空請求詐欺で5000万円超える被害 名古屋の60代女性
NHK|架空請求詐欺 60代男性が380万円だまし取られる
警察官を装った電話
警察官を装った架空料金請求の手口も確認されています。
この手口では、まず詐欺師はターゲットのスマートフォンに電話をかけます。
その後、電話からトークアプリのビデオ通話に誘導した上で、偽の警察手帳や逮捕状を提示し、「あなたはマネーロンダリング事件の容疑者になっている」などのセリフでターゲットの不安を煽ります。
詐欺師は、非通知や+81などから始まる国際電話番号を使うことがあります。
また、警察施設からの電話だと誤認させるため、電話番号末尾4桁を「0110」にすることもあります。
最終的に警察官役の詐欺師は、「資産を確認する」「口座を調査する」といった名目で、お金を振り込むように要求します。
この手口によって、20代から50代までの世代の多くの方が被害にあっています。
警察が捜査でお金を振り込ませることは絶対にないため、お金を振り込むよう指示を受けた場合は、すぐに詐欺だと思いましょう。
少しでもおかしいと思ったら、相手の名前や所属している警察署を確認した上で一旦電話を切り、最寄りの警察署に相談しましょう。
トレンドマイクロは、警視庁特殊詐欺被害防止アドバイザーを受嘱(じゅしょく)し、特殊詐欺被害防止活動を推進しています。
(参考:日本の警察機関との協業 | トレンドマイクロ (JP))
【参考情報】
警視庁 | 警察官を騙る詐欺 その警察官は本物ですか?
読売新聞オンライン|電話番号の末尾「0110」に注意、警察装う詐欺相次ぐ…番号表示技術を悪用か
裁判所を装った訴訟通知
「総合消費料金に関する訴訟最終告知のお知らせ」などの文面で、「裁判取り下げの相談に乗る」といった内容の手紙が送られます。
この手口では、「財産の差し押さえを強制的に執行する」と不安をあおり、手紙に記載された連絡先に電話をするように求めます。
実際に電話をすると、弁護士等の紹介費用などの名目で、金銭の支払いを要求されます。
【参考情報】
裁判所|「総合消費料金未納分訴訟最終通告書」にご注意ください!
法務省|法務省の名称等を不正に使用した架空請求により被害が発生しています
ワンクリック請求
ワンクリック請求とは、サイトの訪問者に対して契約に同意する意思がないにもかかわらず「有料会員契約が成立した」などと表示して、架空の利用料を請求する詐欺の手口です。
※アプリをインストールしていないにもかかわらず「有料アプリのインストールが完了した」と表示する場合もあります。
「お客様の端末情報を保存した」といったメッセージや端末のIPアドレスなどを表示し、あたかも利用者個人を特定しているかのように見せて、ターゲットを焦らせます。
【参考情報】
Uワク|「今すぐ手続きをすれば20万円で解約できます」大学生が電子マネー260万円分の詐欺被害
IPA|ワンクリック請求の手口に引き続き注意
横浜市消費生活総合センター|アダルトサイトのワンクリック請求
架空料金請求の通知は無視しても大丈夫?
基本的に、身に覚えのない請求がきた場合は、お金を払うことはせずに無視しましょう。
一度連絡してしまうと、電話番号やメールアドレスが詐欺師側に伝わってしまい、連絡がエスカレートする可能性があります。
しかし、請求通知に「督促手続」や「少額訴訟手続」と記載があるときは注意が必要です。
詐欺師が正規の「督促手続」や「少額訴訟手続」を悪用するケースを法務省・国民生活センターが確認しています。
この場合、通知を無視していると訴状が認められてしまい、被害者側が不利益を被るおそれがあります。
架空の料金請求か判断がつかないときは、記載されている連絡先に連絡せず、まず最寄りの消費生活センターに相談してください。
相談の際に、届いた手紙やメール・メッセージなどの提出が求められることがあるため、架空料金請求の証拠になりそうなものは保管しておきましょう。
【参考情報】
法務省|督促手続・少額訴訟手続を悪用した架空請求にご注意ください
国民生活センター|全国の消費生活センター等
詐欺対策専用アプリを使って詐欺かどうかチェックしよう
スマートフォン向けに、怪しい広告やメッセージが詐欺どうかをチェックしたり、詐欺電話番号に対して発着信をブロックできるアプリがあります。
【トレンドマイクロ 詐欺バスターで怪しい広告やメッセージをチェック!】
トレンドマイクロ 詐欺バスターはネット詐欺や詐欺電話をブロックする詐欺対策専用アプリです。
怪しいWebサイトやテキストメッセージ、オンライン広告をスクリーンショットで撮影し、その写真をアプリに送信すると、詐欺の可能性がないか、AIがチェックします。
以下のアプリストアより、無料でインストールしましょう。
QRコードからアプリをインストールする
トレンドマイクロ 詐欺バスターのその他の機能(クリックして詳しく見る)
発信および着信時に特殊詐欺の疑いがある場合は画面上に警告を表示します。ブロック設定を有効にすることで、発着信の自動的な切電も可能です。
※iPadOSでは詐欺電話対策はご利用いただけません。iOSでは発信時のブロック(自動的な切電)はご利用いただけません。
詐欺の可能性があるメッセージをSMSフィルタで識別し、迷惑メッセージフォルダに自動で振り分けます。
個人情報や金銭を狙うフィッシングサイトや、不正アプリをダウンロードさせるサイトなどの、不正なサイトへのアクセスをブロックします。
※ iOS・iPadOSではSafariのみ対応
ビデオ通話やライブ配信において、ディープフェイクによるなりすましの可能性がある際は警告を表示します。LINE、Instagramなどの、ビデオ通話機能やライブ配信機能があるアプリ各種でご利用いただけます。
支払う前にその請求が事実かどうかを必ず確認しましょう
架空料金の請求は、不安をあおるような表現を使ったり、実在の企業や裁判所からの通知などを装ったりするため、自分だけで詐欺かどうかを判断することは難しいです。
身に覚えのない請求の通知を受け取った場合は、お金を支払う前に身近な人や消費生活センターの相談窓口へ相談してください。
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