iPhoneやiPadなどのApple製のデバイスでWi-Fiネットワークを利用しているときに、「安全性の低いセキュリティ」と表示されることがあります。 これは何を意味しているのでしょうか?
この記事では「安全性の低いセキュリティ」というメッセージが表示される原因とその危険性、メッセージが表示されないようにする対処法を解説します。
iPhone / iPadのWi-Fi設定で「安全性の低いセキュリティ」と表示される原因
この「安全性の低いセキュリティ」というメッセージはiOS 14から表示されるようになりました。
Apple製品のOS※は定期的にアップデートされており、OSのバージョンがアップデートされると新機能が増えたり、セキュリティが強化されたりします。
iPhoneではiOSという名称のOSを使用していますが、iPadではバージョン13から専用のiPad OSを使用するようになりました。
※OS(オペレーティングシステム)=WindowsやiOSなどのコンピュータやスマホを動かす土台となるソフトウェアのこと
2022年9月にリリースされた「iOS 14 / iPad OS 14」からは、接続しているWi-Fiネットワークのセキュリティ設定(認証方式・暗号方式)の組み合わせによって、「安全性の低いセキュリティ」という警告メッセージが表示されるようになりました。
「安全性の低いセキュリティ」と表示されない(Appleが安全と判断している)Wi-Fiのセキュリティ設定は、具体的には以下の3つです。
○WPA2 / WPA3以降(Transitional)
○WPA2パーソナル(AES)
○WPA3パーソナル
【参考情報】
Wi-FiルータとWi-Fiアクセスポイントの推奨設定 – Appleサポート (日本)
https://support.apple.com/ja-jp/HT202068
「安全性の低いセキュリティ」の警告を放置した場合の危険性
「安全性の低いセキュリティ」が表示されるWi-Fiネットワークの環境は、認証方式・暗号方式が古いため、セキュリティが弱い状態が放置されています。
このメッセージを放置した状態でWi-Fiネットワークを利用していると、以下のような被害が発生する可能性があります。
(1)Wi-Fiルータを経由する通信内容が盗み見される
認証方式・暗号方式が古いことと、悪意のある第三者によってWi-Fiルータに接続しているパソコンやスマホの通信内容が盗み見される可能性があります。
(2)Wi-Fiを勝手に使われる(ただ乗り)
認証方式・暗号方式が古いとWi-Fネットワークにパスワードを設定している場合でも、それを解読されてしまう可能性があります。
その結果、自宅のWi-Fiを勝手に利用される、いわゆる“ただ乗り”が起きるかもしれません。
(3)Wi-Fiルータの設定を不正に変更される(乗っ取り)
認証方式・暗号方式が古いと、Wi-Fiルータ本体が悪意のある第三者によって乗っ取られる恐れがあります。
Wi-Fiルータが乗っ取られてしまうと、本体の設定を不正に書き換えられ、接続しているデバイスが金銭や情報をだまし取るサイトに誘導される可能性があります。
また乗っ取られたWi-Fiルータが悪用されることで、最終的には自宅で使用しているスマートTVやスマートスピーカーなどのスマート家電が遠隔操作などの被害にあうことも考えられます。
「安全性の低いセキュリティ」と表示される場合の対処法
「安全性の低いセキュリティ」と表示されていても、何か被害が発生しているとは限りません。
しかし、「安全性の低いセキュリティ」と表示される状態でWi-Fiのネットワークを使用していると、セキュリティ上の危険性があるので、以下の対処方法を検討してください。
iPhone/iPad側の設定を見直す(接続しているWi-Fiネットワークを切り替える)
Wi-Fiルータによっては、一台で複数のWi-Fiネットワークを使用できるものもあります。
現在接続しているWi-Fiで「安全性の低いセキュリティ」と表示されている場合は、自宅のWi-Fiルータで使用可能な別のネットワークへの接続を試してみてください。
※多くの場合、同じWi-Fiルータで使用可能なネットワークには「○○○-A」と「○○○-A-WPA3」、「△△△-G」→「△△△-G-WPA3」のように共通の文字列が使用されています。
そのネットワークのセキュリティ設定が新しい認証方式・暗号方式に対応していると、「安全性の低いセキュリティ」が表示されなくなります。
なお、フリーWi-Fiの使用中に「安全性の低いセキュリティ」が表示された場合は、自身では設定の変更が難しいためそのネットワークを利用しないのが望ましいでしょう。
Wi-Fiルータの設定を確認し、変更する
Wi-Fiルータが以下のセキュリティ設定のときに、iPhoneやiPadで「安全性の低いセキュリティ」と表示されます。
・Wi-Fiにパスワードが設定されていないとき(一般開放された公衆無線LANなど)
・認証方式が「WPA」のとき
・暗号方式が「WEP64」「WEP128」「TKIP」のとき(「AES」以外のとき)
具体的な設定の変更方法はWi-Fiルータによって異なるので、メーカーのサポートページを参考に設定を見直しましょう。
【参考情報】
iPhone(iOS14)をAtermにWi-Fi接続すると「安全性の低いセキュリティ」と表示される|NEC
https://www.aterm.jp/support/qa/qa/00311.html
iPhoneをWi-Fiルータに無線接続すると 「安全性の低いセキュリティ」が表示される|エレコム
http://qa.elecom.co.jp/faq_detail.html?category=&id=8318
iPhoneをWi-Fiルータに無線接続すると「安全性の低いセキュリティ」と表示されます(iOS 14)| バッファロー
https://www.buffalo.jp/support/faq/detail/124144517.html
TP-Link製品のWi-Fiに接続するとセキュリティに関する警告が表示される場合|TP-Link
https://www.tp-link.com/jp/support/faq/2921/
Wi-Fiルータを交換する・最新のものを導入する
Wi-Fiルータのセキュリティ設定として【認証方式が「WPA2」「WPA3」で、暗号方式が「AES」】を利用すると、iPhoneやiPadで「安全性の低いセキュリティ」と表示されなくなります。
自宅で使っているWi-Fiルータがこれらに対応していないのであれば、買い換えを検討してもよいかもしれません。
またWi-Fiの中継器(電波を増強して離れた部屋でもWi-Fiを利用可能にする機器)を使用している場合は、中継器側の認証方式・暗号方式もあわせて確認しましょう。
ご家庭のネットワークのセキュリティに不安がある場合は?
認証方式・暗号方式以外にも、Wi-Fiネットワークやルータ本体に推測されやすいパスワードを使用していたり、ファームウェア※が古いままWi-Fiルータを使用していたりすると、Wi-Fiルータの設定を不正に書き換えられたり、見知らぬ人にただ乗りされる可能性があります。
※ファームウェア=デバイスを動かす基本的なソフトウェアのこと
ご家庭のネットワークを安全に利用するために、最新の暗号化規格(WPA3)に対応していて、かつセキュリティ対策製品が搭載されているWi-Fiルータを購入しましょう。
例えばNEC社のAterm シリーズの一部のWi-Fiルータでは、偽・詐欺サイトによって個人情報や金銭をだまし取るネット詐欺や、悪意のある第三者によるWi-Fiルータ・スマート家電の乗っ取りなどからご家庭のネットワークを守るセキュリティ管理アプリ「トレンドマイクロホームネットワークセキュリティ™ ※」を最大90日間無料※でご利用が可能です。
専用アプリからホ―ムネットワーク内のデバイスの保護状況を確認したり、デバイス毎にセキュリティ設定の変更が可能です。
※ご利用には専用管理アプリによる設定が必要です。
※最大90日間無料の内容は、オートアクティベーション(30日間)+アカウント登録(60日間)です。
またELECOM社より発売されている一部のWi-Fiルータには、偽・詐欺サイトによって個人情報や金銭をだまし取るネット詐欺や、悪意のある第三者によるWi-Fiルータ・スマート家電の乗っ取りなどからホ―ムネットワークを守る「スマートホームネットワーク™ 」が搭載されています。
まとめ:「安全性の低いセキュリティ」と表示されても、あわてず対処を
繰り返しになりますが、「安全性の低いセキュリティ」と表示されていても、すぐに直接的な被害が発生しているわけではありません。
自宅のWi-Fi設定を見直して、正しい設定を行い、場合によっては機器の買い換えやセキュリティ対策製品の導入によってセキュリティの安全性を高めてください。
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