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迷惑メール/迷惑SMS

スパムメール・迷惑メールとは?意味や種類、基準を解説 

スパムメール・迷惑メールとは具体的にどのようなメールを示す言葉なのかご存知でしょうか。
また、誰がどのような目的で送ってくるのでしょうか。

この記事では、スパムメール・迷惑メールとは何か、この2つの違い、危険な被害事例などを説明します。

危険なスパムメール・迷惑メールへの対策や対処法も解説するので、被害を受けないためにぜひ参考にしてください。

スパムメールとは?迷惑メールとの違いは?

スパムメールとは、受信者が望んでいないにも関わらず無差別かつ大量にばらまかれるメールのことです。
多くの場合、メールの受信者が迷惑に感じることから「迷惑メール」とも呼ばれます。

厳密に言うと「迷惑メール」とは受信者が受け取りを望まないメール全般を指すので、「スパムメール」を含んだ広い概念です。
多くの場合、「迷惑メール」と「スパムメール」はほとんど同じ意味で使われます。

スパムメールのイメージ

スパムメールの「スパム」とは、で豚肉の缶詰(SPAM)という意味です。

昔イギリスの有名コメディ番組で、スパム嫌いな客が入ったレストランのメニューにスパムしかなく、周りの人々もスパムの歌を歌い出すというコントがありました。

これが由来で、何度も同じことを繰り返す迷惑行為を「スパム」と呼ぶようになりました。

スパムメールの歴史(クリックして開く)

歴史上、初のスパムメールは、1978年5月3日、アメリカのコンピュータメーカーDEC(ディジタル・イクイップメント)の営業部門代表が送ったものとされています。

メールの内容は、同社の新製品「DEC-10」の宣伝で、インターネットの先駆けとなったネットワーク「ARPANET」のユーザ393名に送られました。

さらに、本格的な迷惑メールが出現したのは1994年とされています。
ある法律事務所がメールを大量に送信するソフトウェアを開発し、移民手続きのサービスを宣伝するメールを約6,000のニュースグループに投稿しました。

【参考情報】 
日経クロステック | 「最初はコンピューターの売り込みだった」、迷惑メールが30周年

スパムメール・迷惑メールの種類と目的

スパムメールの種類は大きく分けて3種類あり、それぞれに以下のような目的があります。

広告宣伝メール

広告宣伝メールとは、サービスの利用や商品の販売などを目的としたメールです。
特に多いのが、出会い系やアダルト系サイトへの誘導を狙ったものです。

広告宣伝メールの例

単にサイトへの誘導を目的としたものもありますが、悪徳なオンラインショップや詐欺サイトへ誘導するものもあります。

フィッシングメール

フィッシングメールとは、フィッシングサイトへの誘導を目的としたメールです。
フィッシングサイトとは、特定の企業やサービスのサイトを巧妙に装い、IDやパスワード、クレジットカード情報などを入力させて、個人情報や金銭を盗み取ることを狙ったサイトのことです。

フィッシングメールの例
大手通販サイトを装ったフィッシングメールの例

最近では、大手通販サイトや金融機関からのメールを装う事例が頻繁に確認されています。

ウイルスメール

ウイルスメールとは、受信者のパソコンやスマートフォン(以下スマホ)をウイルスなどの不正プログラムに感染させることを狙ったものです。

メールの添付ファイルにウイルスが仕込まれており、この添付ファイルを開くと感染してしまうといった事例が多いです。

ウイルスメールの例
ウイルスが添付されたメールの例

ウイルスなどの不正プログラムに感染した端末が遠隔操作され、その端末からさらに他の人にも迷惑メールを送り、被害を拡大させる場合もあります。

スパムメール・迷惑メールに関する法律

次に法律上、スパムメール・迷惑メールがどのように扱われているか説明します。

日本では「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(以下特定電子メール法)」と「特定商取引に関する法律(以下特定商取引法)」で、送信してはいけない広告宣伝メールの基準が定められています。

この法律では、直接的に「スパムメール・迷惑メール」と呼ばれていませんが、受信者の同意なくツールなどで大量のアドレスにメールを一斉送信をしている場合、「送信してはいけない広告宣伝メール」と同義として解釈できます。

以下では、送信者側の視点で「自分たちが送るメールが法律に違反していないか」、受信者の視点で「望まないメールを受信しないためにはどうすればよいか」をそれぞれ解説します。

広告宣伝メールの送信者が気をつけること

まず特定電子メール法は「電子メールの送受信上の支障の防止」を目的としています。

広告宣伝メールについては、メール配信について事前に同意済みの人にのみ送信可能(オプトイン規制)としており、受信者側から受信拒否の通知を受けた場合には、以後の送信が禁止されます。

そのため送信者側は「受信者側に同意なくメールを送信しないこと」と「受信者が拒否した場合は、メールを送信しないこと」を徹底する必要があります。

”広告宣伝メールの送信者が気をつけること”について詳しく見る(クリックして開く)

また、広告宣伝メールの本文には原則以下の表示が義務づけられています。

  • 送信者の氏名または名称
  • 受信拒否の通知を受けるためのメールアドレスまたはURL
  • 受信拒否の通知ができる旨
  • 送信責任者の住所
  • 苦情や問合せ等を受け付けるための電話番号、電子メールアドレスまたはURL

特に重要なのは、2つ目の「受信拒否の通知を受けるためのメールアドレスまたはURL」です。

受信者側がメールの配信を希望しない場合、それを送信者側へ容易に意思表示できる問い合わせ先の設置が必要です。
(例えば「配信停止」といったボタンをメール内に設置し、そこからメールマガジンなどの配信停止を設定できる。)

メール内に「配信停止」ボタンを設置する例

上記のような「受信拒否の通知を受けるためのメールアドレスまたはURL」や「苦情や問合せ等を受け付けるための電話番号、電子メールアドレスまたはURL」などについて、受信者が容易に認識できる記載方法のガイドラインが定められています。

送信者の方は以下を参考にしましょう。

[特定電子メール法]
消費者庁 | 電子商取引及び情報財取引等に関する準則

[特定商取引法]
経済産業省 | 電子メール広告をすることの承諾・請求の取得等に係る 「容易に認識できるように表示していないこと」に係るガイドライ

一方で、特定商取引法は「消費者保護、取引の公正」を目的としており、特定電子メール法同様に前述のオプトイン規制などが定められています。

両者の大きな違いとして、まず特定電子メール法は広告宣伝メールの送信者に幅広く適用されるため、自分や他人の営業のために広告宣伝メールを送る際に適用されます。

一方で特定商取引法は販売業者などの広告主に対して主に適用されるため、販売業者などが通信販売などの広告宣伝メールを送る際に適用されます。

いずれの法律でも違反者に対して罰金や懲役などの罰則が定められており、業務停止命令などの行政処分の対象にもなります。
広告宣伝メールを送る際は、これら両方の法律で定められている事項を確認の上、遵守しましょう。

特定電子メール法特定商取引法
管轄省庁総務省および消費者庁経済産業省および消費者庁
目的電子メール送受信上の支障の防止消費者保護、取引の公正
対象送信者または営業について広告宣伝メールの送信を委託した者販売業者、電子メール広告受託事業者
参照ページ消費者庁 | 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)消費者庁 | 特定商取引法
参照元一般財団法人 日本データ通信協会 | 特定電子メール法

広告宣伝メールの受信者が気をつけること

前述の通り、特定電子メール法と特定商取引法では、あらかじめ同意した者以外に広告宣伝メールを送ることを禁止しています。(オプトイン規制)

もし受信したメールを今後受け取りたくない場合は、メールの本文の「配信停止」などのボタンから、配信の拒否を設定しましょう。

ただし、ホームページや個人のブログにメールアドレスを記載している場合、併せて送信を拒否する旨がない限りオプトイン規制の対象にはなりません。

インターネットで公開しているメールアドレス宛に広告宣伝メールを受け取りたくない場合は、必ず送信を拒否する旨を記載しましょう。

【参考情報】 
e-Gov|特定電子メールの送信の適正化等に関する法律 
e-Gov|特定商取引に関する法律 
日本データ通信協会|特定電子メール法 

なぜ自分のメールアドレスにスパムメールが届くのか

スパムメールの送信者はなぜ自分のメールアドレスを知っているのでしょうか。
送信者がメールアドレスなどの個人情報を不正に集める手段として、以下のようなものが考えられます。

    • ブログやSNSなどで公開されているメールアドレスの収集
    • 無料のゲームサイトや懸賞サイトなどの登録情報
    • 企業やサービスからの情報漏えい事故
    • フィッシング詐欺
    • 自動ツールによる宛先メールアドレスの大量生成
    • ウイルス感染による情報流出

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

【関連記事】 

危険なスパムメール・迷惑メールの被害事例

危険なスパムメールの中でも、前述の通りフィッシングメールやウイルスメールは、受信者に直接的な被害を及ぼす可能性があります。

【危険なウイルスメールの事例】

ここでは、危険なスパムメールであるフィッシングメールの被害事例を説明します。

フィッシングメールとは特定の企業やサービスを装ったネット詐欺の手口で、最近では、大手通販サイトや金融機関などを装ったスパムメール・迷惑メールが大量に送信されています。

これらのメールは「アカウントが停止されたので、復旧のためにパスワードやカード情報の入力をして欲しい」といった嘘で、公式サイトそっくりの偽のサイトに誘導して、入力された個人情報を盗みます。

Amazonを装うフィッシングメールの例
「Amazonアカウント停止通知:虚偽の評価提出によるアカウント停止通知」
Amazonを装った偽のお支払い方法入力画面

特に上記のようなAmazonを装ったフィッシングメールが有名で、多くのメール利用者にしつこく送信されていることが確認されています。

【関連記事】

実際に、2023年のトレンドマイクロの調査では、73%の人が「特定の企業やサービスを装った偽のメールやSMS(ショートメッセージ)を受け取ったことがある」と回答しており、このようなメールは誰にでも届くほど流行しています。

<調査概要>
調査名:「インターネットのご利用状況に関するアンケート」
調査期間:2023年12月15日~12月18日
調査対象:インターネットの利用者2,647名(日本国内居住の18歳以上男女)
調査方法:Web調査

【危険なウイルスメールの事例】

次に、危険なスパムメールとして、ランサムウェアと呼ばれるウイルスがメールの添付ファイルによってばらまかれていた被害事例を挙げます。

このウイルスに感染すると端末が使えなくなり、攻撃者から再び端末を使用するためにお金を払うように要求されます。

仮にお金を払っても、端末を元に戻してもらえる保証はないため、非常に危険なウイルスの一種です。

ウイルスによってデータを使用不可能にされる例

【関連記事】

このような危険なスパムメール・迷惑メールの被害を受けないように、次に紹介する対処法を行ってください。

スパムメール・迷惑メールが届いたときの対処法

スパムメールが届いたときは、すぐに削除してください。
開封したり、記載されているURLや添付ファイルを開いたりしないようにしましょう。

迷惑メールを削除せず放置する危険性について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

【関連記事】 

もしスパムメールを開封したり、記載されたURLや添付ファイルを開いたりした場合は、以下の記事を参考に対処してください。

【関連記事】 

スパムメール・迷惑メールが届くのを防ぐ対策

スパムメールが届くのを防ぐ対策は以下の通りです。

    • 携帯キャリアやインターネットサービスプロバイダのフィルター設定をする
    • メールアプリの迷惑メール対策機能を使用する
    • セキュリティ対策ソフトの迷惑メール対策機能を使用する
    • 単純すぎるメールアドレスを避ける
    • インターネット上でメールアドレスを公開しない
    • 運営元がわからないあやしいサイトやアプリを利用しない

これらの内一つだけでなく、複数の対策を組み合わせるとより効果的です。

スパムメールが届くのを未然に防ぐために、詳しくは以下の記事をご覧ください。

【関連記事】 

スパムメール・迷惑メールを正しく理解して対処する

本記事では、スパムメールの言葉の由来や種類、目的、送ってはいけない広告宣伝メールの基準などについて解説しました。

スパムメールは、正しく理解していれば、過剰に恐れる必要はありません。

もしスパムメールが届いても、この記事を参考に冷静に対処しましょう。

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